同じ物語でも、舞台で演じられるものと映画になったものでは、異なる鑑賞態度・異なる感想を抱きますよね。例えセリフ回しやキャストが全く同じだったとしても「同じ態度で見る」「同じ感想を持つ」ことはおそらくないでしょう。このことから、情報はその「形」によって変わる、ということが言えるのではないでしょうか。
紙の本と電子書籍の場合でも、おそらくこのような現象がおこります。
全く同じ本でも、紙の本で読んだ時と、電子書籍で読んだ時では異なる体験、記憶となるでしょう。
「便利だから」という理由から筆者を含め、多くの人が電子書籍を利用している訳ですが、紙の本の時にはあった何が失われ、また、何が付け足されているのでしょうか。
この答えはもしかすると、人によって異なるかもしれません。そして、それが良いことであるのか、悪いことであるのかも今のところ筆者には判断できません。
テレビや家庭用ゲーム機など、新しい技術によって生み出された端末が人に及ぼす影響についてはいろいろ言われてきました。
家族の会話がなくなるとか、子どもが外で遊ばなくなるとか、集中力が低下するというようなことです。
電子書籍はこれらの端末と比較してまだ普及していないせいか、著名人によって悪影響が語られる、というようなことはまだそれほどないようです。
が、自分で何か変わっているのか、失ったものはあるかは考えておくべきなのかもしれません。
難しい話ですがここでは「電子書籍が人・環境に与える影響」ついて考えてみたいと思います。