電子書籍サービスを利用すると多くの場合、若干ですが紙の本よりも安く買うことができます。
これは製本や流通、保管にかかる手間・場所を減らすことができる電子書籍のメリットの一つです。
安く作り、売り場まで持ってくることができるからその分を価格に反映させられる訳ですが、この点は電子書籍を読む側だけでなく、コンテンツの作り手側、作家にも大きな影響を与えています。
紙の本の場合、「自費出版」といわれる出版社を通さない書籍を発行する場合、本を売るまでにかかる費用をすべて自分で賄わなければならないため、作者に大きな負担がありました。
電子書籍の自費出版の場合、かかる費用を自分で負担するという点は変わりありませんが、この費用(本を作って売り場に運ぶまでにかかる金額)は紙の本と比べ、圧倒的に安く済ませることができるようになりました。
例えば、paperboy&coが経営するウェブサービス「ブクログ」には自分の書いたテキストを電子書籍化できるサービス「ブクログのパブー」があります。
ブクログのサイト上で作品(自分の電子書籍)を公開するだけなら無料でできますし、月額525円の利用料金がかかる有料プランなら、AmazonのKindleストアやkoboイーブックストアで実際に本を売ってもらうことができます。
少なくとも100万円からの準備が必要と言われていた紙の本での自費出版と比べ、このお手軽さは圧倒的ですよね。
ブクログは元々、 読んだ本を記録しレビューするウェブ上の本棚を作るサービスです。(会員数は約40万人と言われています)
SNSのように他の人の本棚をチェックして気が合いそうな人を探し、コメントなどの交流をすることができるのですが、パブーはこのブクログと連動しているので自分の作った本をレビューしたり、本棚に並べて宣伝することもできます。
「有料で自分のオリジナルの作品(本)を販売する」ことをプロの条件だとするならば、プロになるための壁は限りなく低くなったと言えるのではないでしょうか?
(作り続けること、大ヒット作を出すことは依然、難しいのでしょうが……)
2010年に始まったこのブクログのパブーも、まだまだはじまったばかりです。
が、こういった新しい環境から、新世代の大作家や名作が生まれてくるかもしれません。