「電子書籍を利用するまでに必要な多くの手続き」の中には、「電子書籍」そのものへの理解も含まれると筆者は考えています。
「電子書籍とは何か」という基本的な疑問を解決しておかないと、電子書籍のメリットを最大限に生かし、快適に電子書籍を利用することは現状、ちょっと難しいからです。
しかし、この「電子書籍とは何か」という疑問は実は「1+1は2である」といういう風に単純明快に答えることがなかなか難しい問題です。
「電子書籍」という言葉は本来、たた単純に紙でなく電子データとして保存された情報のことでした。
つまり広義には、ウェブサイト上の文章やメールマガジンなども「電子書籍」に含まれてしまう訳です。
加えて現在、「電子書籍」という言葉はその電子データを利用するためのサービスあるいは端末までも含まれている場合があります。
もともとただ「電子書籍」といっただけでは何を指しているのかわかりにくかったものがこれでは、混乱するのは当然ですよね。
最近では純粋に紙の本の代替としての電子書籍という意味で「電子ブック」「デジタル書籍」「eBook」などの名称が使われることもありますが、まだまだ浸透度は「電子書籍」が上でしょう。
ということで、このサイトでは、「電子書籍」という言葉をわかりやすくするために以降、電子化された文字や画像などのデータそのもののことを「電子書籍データ」、電子書籍データを購入するウェブ上の書店のことを「電子書籍サービス」、購入した電子書籍データを読むための端末のことを「電子書籍端末」と呼んでご説明していきたいと思います。
しかし一体なぜ、「電子書籍サービス」と「電子書籍端末」が混同しやすいのでしょうか?
筆者の個人的な考えですが、この混乱には「電子辞書」が影響している気がしています。
一般的な電子辞書は「データ」と「それを利用するための端末」がひとつになった製品でした。
紙の本と同じく、利用したければ買うものは一つだけで済んだ訳です。
一方「電子書籍」の場合だと、利用するには「データ」と「それを利用するための端末」が個別に必要です。
電子書籍を利用するためには、まずそれを理解し、データをどこで購入するのか・どの端末を使うのかを決めなければなりません。
現在、電子書籍サービスも電子書籍端末も本当にたくさんの会社が参入しており、加えて互換性もないためと状況は複雑ですが、まずは、「データ」「サービス」「端末」の違いを把握することから始めていきましょう。